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それに尽きるのです！
「夕凪の街 桜の国」などのこうの史代によるコミックをアニメ映画化。
監督は「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直。
広島県呉市の家に嫁いだすずさんの物語。
穏やかに慎ましく凛々しくたしかな情緒と情感を持って日々を営む。
そんな光景を邪魔する戦争の理不尽な恐怖。
突然に終わりを告げられて堰を切って感情が迸る。
そしてまた歩き出す。
主人公すずを演じた女優のんが素晴らしい。
明るく朗らかでほんわかとした声がハマっているだけでなく、その内側に怒りと悲しみを抱え込みながらも絡めとられることなく前に進む毅然とした意思を伝える。
能年玲奈から改名を余儀なくされた溜息を乗り越え、のんとして生きてゆく決意を固めるかのようにすずと同化したボイスアクトが見事。
すずとして生きている命を感じた！
開幕後すぐ聞こえる第一声から息づいていた！
★完成披露試写 2016/9/9
http://lineblog.me/non_official/archives/10490999.html
市井の日常を繊細なタッチで命の濃淡を色濃く描き出してゆく瑞々しい作画。
食べて笑って眠るという暮らしのリズム、衣食住の生活からにじみ出る美をゆるやかに積み重ねて時代の息吹を醸成してゆく美しいアニメ。
心地良い。
平穏を脅かす生きづらさは折に触れて迫ってくる。それが世の常。
絵を描いていた右手への思いを馳せるように人生の分岐点に対する後悔や悲哀は人間が抱える宿命。
消せない切なさを抱きしめて、周りに人がいるあたたかさに心を満たしていけば希望はたしかにある。
世界の片隅でも居場所はきっとある。
エンドクレジットの安堵感が最高。
純真に幸せを願う気持ちが沁みこんでゆく。
至福！
監督：片渕須直
声：のん、
細谷佳正、
小野大輔、
稲葉菜月、
尾身美詞、
潘めぐみ、
岩井七世 ほか
上映時間：１３０分
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コメント
コメント一覧 (8)
どこにでもある幸せ。それがずっと続くものだと思っていることが当たり前であることのありがたみ。
昭和20年を生きておられた全ての先人に感謝します。
本当にそうですね。感謝。
政治家も見るべき映画！
しました。リンさんと旦那さんの過去など、深い内容まで知ってから
観るのんちゃん版ｺﾉｶﾀは、より味わい深く感じました！
本当にそうですね！
しみじみと味わい深〜い作品！
自分も昨日映画納めとして観てきましたが、噂通りの良作でした。物語、声優さん、温かみのある作画、すべてが秀逸で確かに今年絶対観るべき作品。とかくこういう戦時中の内容はどこか重暗いイメージも付きまとうのですが、見終った後は全然そういう気持ちにならなかったのも良かったですね。どこか満たされたような気持ちになりました。
おっしゃる通り、満たされた気持ちになりました！
生命力とご縁の有り難みも伝わってきてしみじみ感動します。
(^^)
反戦映画が大嫌いなので避けていたのですが、方々からお勧めされてようやく観ました。
広島が舞台なので、悲劇でしかないのですが、画とすずさんのほのぼのさで助かりました。
それでも号泣するレベルで泣いてしまいました。
こんなの良い映画ならもっと早く観るんでした。
年間ベスト確定ですし、沢山の人に観てもらいたいです。
悲劇の中にも希望は必ずある。
それを信じさせてくれる嬉しい映画でした。
もっともっと拡大公開してほしいですね。