バケモノの子 : Akira's VOICE

ブログネタ：: アニメ（CGアニメ含む）に参加中！

熊徹かっこええよ。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督最新作！

夏休みの低年齢層向けの世界観と、囃し立てるような音楽にうるささを感じて前半は正直、入り込めなかったが次第に「ベストキッド」を彷彿とさせる師匠と弟子の姿に応援ができるようになってからはイッキに没頭。

ただ、「人間界」と「バケモノ界」。
二つの世界の表裏一体感をもう少し如実に表してほしかった気持ちはある。

鯨が舞う渋谷の映像は恐ろしさと美しさを共存させて白眉だった。

寂しさ恨みつらみ嫉妬、欲望が肥大化して闇へと形を変えて暴走。
その侵食を食い止める一閃の大喝！

「バケモノ」という言葉は蔑みが入っていて好きではなかった。
しかし、粗野だけど純粋な男気を見せつける熊徹の格好良さに触れた今は違う。
愛すべきはみ出し者と同義になった。

「蓮」と「九太」というダブルネームと、
育ての親の強固な芯を胸に抱えるなんてそうそう出来ない体験。

よく学び、よく遊んで立派な幸せを手にするんだぞ！

チコは母親の精霊だ。きっとそうだ。

白無垢の慈愛に導かれてやってきたバケモノ界で稀有な経験を積んだ九太の成長を通して、
誰かの孤独や悲哀を他人事とせずに受け止めて心に寄り添って繋がって太くなる絆の嬉しさ、
それに気付いた時の百人力の心強さ、
自分の意思で動く勇気がふとした瞬間瞬間に伝わって涙が流れた。

ジブリのあれを想起するが、
おおかみこどもの延長線とみれば納得。

親だけでなく関わった人（いや人じゃなくても良い）すべてから見守られて育ってゆけるって至福。

そんな感動が常に存在する世の中になっていければ最高。

儚さの魅力ボイスを持つ宮崎あおいと広瀬すずは声優に最適やね。

原題：The Boy and The Beast

監督：細田守

声：役所広司、
　　宮崎あおい、染谷将太、
　　広瀬すず、
　　諸星すみれ、
　　黒木華、宮野真守、
　　大野百花、山口勝平、
　　山路和弘、
　　長塚圭史、麻生久美子、
　　リリー・フランキー、大泉洋、
　　津川雅彦ほか

上映時間：１１６分