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高畑勲監督の14年ぶりとなる最新作！
原作は日本の古典『竹取物語』。
手塩にかけて育てたのに、あっさり宇宙に帰ってしまう(´・ω・`)
しょぼん感しか残らない昔話。
やっぱりその通り、お月様ひどい！
ろくな男がいないとはいえ！
それなら竹から金や着物を出さなきゃ良かったじゃないですかっ！
どうか、翁と媼はその後、抜け殻にならず息災でありますように。
存在するだけで他者に影響を及ぼし合う人間の原罪を、
ときにユーモラスに、ときに厳しく描き込み、
そのアンチテーゼのような無我の境地、
月の世界（宇宙（黄泉？））を神々しく登場させ、
果ては２つの世界を歌を架け橋に繋ぐ壮大な世界感が見事。
自分の内面なのか外からの何らかのパワーなのか、
衝かれるがごとく声に乗せて響く歌声がこの上なく効果的。
これこそ音楽の原点。
"罪と罰"を自覚して、うたかたの至福を謳歌し命に刻む姫の姿が、
演じる朝倉あきの素直な感情表現と溶け合い魅力を発散。
地井武男と宮本信子が伝える翁と媼の懐の大きな人情も素晴らしい。
帰ってしまうクライマックスのなんと悲しいこと。
思わず両手で顔を覆ってワッと泣いてしまう。
子供を見送る『おおかみこどもの雨と雪』と似た余韻。
特筆すべきは映像の完成度。
手描きの筆致を残しつつ、ラフと精緻が融合。
余白を活かし、彩色しすぎない作画。
まさしく前作『ホーホケキョ となりの山田くん』の延長であり到達点に思える。
日本画の展覧会を絵巻物に凝縮して堪能している感覚。
それでいて、アニメーションの滑稽な動きと、
人間味溢れる表情や仕種、葛藤の数々を生命感いっぱいに織り交ぜ、
最後まで画面に惹き付けさせるスゴさ。
高畑勲監督に拍手。
昔話への息吹を今後のライフワークにして下さい！
短篇でも構いませんから！
監督：高畑勲
声：朝倉あき、
高良健吾、
地井武男、
宮本信子 ほか
上映時間：137分
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コメント
コメント一覧 (10)
よくぞここまで、感情を表現した作品にしてくれたことですね。
この画風が、お話のテーマととても合っていて、
自然と引き込まれて観てしまいますよね。
予想していた以上に、この作品がとても好きになりました。
本編を見た後、エンドロールでまた泣けるというのは、仰る通り「おおかみこどもの雨と雪」に似てますね。
２度泣きしました。
どことなく娘を嫁に出す親の気持ちが少しでも分かったような気がしましたよ。
現代との共感性が見事でした。
これはブルーレイ欲しい。。
＞はるみんさん
今もまだ思い出し泣きします。。
＞にゃむばななさん
陶酔にも似た心地良さでしたね。
スゴい世界感と完成度！
もちろん寂しいものがありますけど
今生の別れではないわけで、
ましてや月に帰ってしまう、
しかも羽衣まとっただけで
すべての記憶がなくなってしまうって
あんまりっちゃあんまりで
それこそが姫の罪だったような気がしました・・・
いつもはジブリ作品て（いや宮崎駿作品でか）
だれがしか声優がイマイチ〜っていつも
いうてしまうんですが
今回は誰も本職の声優さんがいなかったにもかかわらずバッチシでした。
地井武男さんの声がきけて
うれしかったってひと多いですね。(^-^)
声に違和感なかったのも大きいですね。
そんな殺生なという深イイ物語！w
これは自分も好きな作品でした♪ジブリアニメで涙腺脆くなるのもなんか凄い久しぶりでしたし、それだけ感情に訴えられた、ということなのかも？
予告編で訝しげに見てた映像も改めてみるとキャラの躍動感とか凄いですし、日本アニメーターの底力も垣間見たといったところっ。今年のジブリアニメは２本とも良作でしたね。
同日公開だと取り合いになるので、ずれて結果的には良かったかもしれませんね。
ほんと、今年のジブリアニメは２本とも良かった！(^O^)
去年見逃してしまったので、今年の1本目でした。
クレパス画風の柔らかな絵と久石音楽監督の音楽で、映画全体が柔らかく感じましたが、話は重かったですね。
都へ出た翁の行いは成金にしか思えす、姫の変わりぶりが悲しかったです。
地井武男さんの遺作なので余計にしみました。
この映画以来、地井さんの声を聞くと翁を思い出します。
そして涙腺が。。