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宮部みゆき 著
「模倣犯」でキーパーソンとなった前畑滋子を主人公とした続編。

続編というカテゴリーではなく,後日談的内容。

「模倣犯」を読んでいなくても,問題はありませんが,
やはり読んでいる土台があると,一層深みが増します。


上下巻でも,上下二段組みではないので読みやすい。
読みやすくても,読みごたえは抜群。

著者の分身のような前畑滋子と読み手が同化して,
彼女の洞察力と根気,愛情が推進力となり,
ページをめくる手が止まらない,どんどん読み進められる。

ちやの支配,腹立つ〜

断章がメインストーリーに繋がってゆく展開が巧い。


学校の隠蔽体質,切れない血縁の関係性,
一人歩きする噂の汚さ,愛情が足りない世の中・・・。

思い通りにならず手を焼く子供を問題児として遠ざけてしまう学校。
目を背けて真に向き合わない教育&親子関係。

欲にとらわれて憑かれて短絡的な行動をした結果,身を滅ぼす若者。

満載されているメッセージの数々は共感する事ばかり。


痛みが蔓延してしまっている社会は,
大人の無責任が産み出したとも言える。

滋子はもちろん,秋津夫妻と,野本刑事が,
行動力で憂いを晴らしてゆく様子が,
理想の働く大人像となって重なる。


萩谷敏子が,等の能力を知り,
生きた痕跡を理解することで,
息子と永遠に生きてゆく決意を深めてゆく過程が劇的。

土井崎家が抱えた闇はいつまでも消えない。
でも,光を射す事はできる。
誠子の存在によって。


人間の本質に迫って,そこから希望も描く終章が大きな印象を残す。

楽園の意味に納得。

人間愛。


償える罪は無い。

死者は生きている。








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