深みに欠ける部分はあっても,
ゆったりと心地良い世界観は心に残る。
哲学的ファンタジーの同名小説に,
宮崎駿作「シュナの旅」を味付けした宮崎吾朗版「ゲド戦記」は,
「ロード・オブ・ザ・リング」「スターウォーズ」に,
宮崎アニメをミックスした感じ。
原作とは大幅に違いますが,寛容な気持ちで・・・
生活感が伝わる温もりある背景が好き。
映像のクオリティは高くない。
だからこそ,力まずリラックスして作品の世界に入ってゆけた。
父を殺してしまった罪を背負い,葛藤に苦しむアレンを見守り,
ガンダルフにも似た賢者ハイタカ(ゲド)の含蓄ある言葉に酔い,
テルーの静かな悲しみに涙。
欲望に染まる人,悪事の意地汚さ,希望の尊さなど,
人間が持つ様々な感情を描き出し,
そこから浮かび上がるメッセージは,
人物像の薄いために,台詞のみが先行している印象。
もったいないと感じつつも,
光と闇の共存,自己の内奥を見つめる決意,
命の素晴らしさ,見えないものこそ何よりも大切とする
素直な訴えかけは,ストレートに胸に入ってきました。
若干,説教を帯びて,
投げかけ問いかける「生きる」という意味。
「CASSHERN」もこんな感じでした。
そういえば無理矢理ぽい終わり方も似てる・・
「千と千尋の神隠し」と「もののけ姫」を足したような結末・・・
なぜ,アレンは父を殺したのか。
世界のバランスはどうなったのか。
映画の最大の根幹が曖昧なままで,
現代に通じるはずのテーマが薄れている。
それに,歴代ジブリアニメの寄せ集めとも呼べる
既視感たっぷりキャラクター造型に魅力が無い。
その結果,宮崎駿さんの息子「宮崎吾朗第一回監督作品」と,
耳から全身へ歌声が包まれる見事な曲「テルーの唄」
この二つ以外に特徴が無い作品になってしまっている。
良い映画ではあるんだけど,
背骨,骨幹が弱く,肉付けが甘い。
響くものはある反面,
主題が明確でないから物足りなさが残る。
「ゲド戦記」と名付けた割に,ゲドの戦記じゃないし・・・
別のタイトルにしても良かったような。
手嶌葵という新しい才能を発掘した点は,高評価。
監督:宮崎吾朗
声優:岡田准一,手嶌葵,
風吹ジュン,
香川照之,田中裕子,
菅原文太 ほか
上映時間:115分
・公式サイト
★ 参加しています。 ご協力頂ければ嬉しいです! →
★ 音楽3枚。
萩原朔太郎「こころ」から着想を得て,吾朗さんが作詞,
谷山浩子 作曲,歌 手嶌葵(てしまあおい)による主題歌が素晴らしい。
★ 原作とシュナの旅と,関連本
劇中で言及される過去の出来事,
ハイタカの名前,アチュアンの墓所についても映像化してほしい!
ゲドを主人公にしてシリーズ化してほしい!
★ こころ収録
★ 「テルーの唄」作曲の谷山浩子さん
昔,よく聞いていました。
「カントリーガール」「ねこの森には帰れない」
「お早うございますの帽子屋さん」「てんぷら★さんらいず」が好き。
ゆったりと心地良い世界観は心に残る。
哲学的ファンタジーの同名小説に,
宮崎駿作「シュナの旅」を味付けした宮崎吾朗版「ゲド戦記」は,
「ロード・オブ・ザ・リング」「スターウォーズ」に,
宮崎アニメをミックスした感じ。
原作とは大幅に違いますが,寛容な気持ちで・・・
生活感が伝わる温もりある背景が好き。
映像のクオリティは高くない。
だからこそ,力まずリラックスして作品の世界に入ってゆけた。
父を殺してしまった罪を背負い,葛藤に苦しむアレンを見守り,
ガンダルフにも似た賢者ハイタカ(ゲド)の含蓄ある言葉に酔い,
テルーの静かな悲しみに涙。
欲望に染まる人,悪事の意地汚さ,希望の尊さなど,
人間が持つ様々な感情を描き出し,
そこから浮かび上がるメッセージは,
人物像の薄いために,台詞のみが先行している印象。
もったいないと感じつつも,
光と闇の共存,自己の内奥を見つめる決意,
命の素晴らしさ,見えないものこそ何よりも大切とする
素直な訴えかけは,ストレートに胸に入ってきました。
若干,説教を帯びて,
投げかけ問いかける「生きる」という意味。
「CASSHERN」もこんな感じでした。
そういえば無理矢理ぽい終わり方も似てる・・
「千と千尋の神隠し」と「もののけ姫」を足したような結末・・・
なぜ,アレンは父を殺したのか。
世界のバランスはどうなったのか。
映画の最大の根幹が曖昧なままで,
現代に通じるはずのテーマが薄れている。
それに,歴代ジブリアニメの寄せ集めとも呼べる
既視感たっぷりキャラクター造型に魅力が無い。
その結果,宮崎駿さんの息子「宮崎吾朗第一回監督作品」と,
耳から全身へ歌声が包まれる見事な曲「テルーの唄」
この二つ以外に特徴が無い作品になってしまっている。
良い映画ではあるんだけど,
背骨,骨幹が弱く,肉付けが甘い。
響くものはある反面,
主題が明確でないから物足りなさが残る。
「ゲド戦記」と名付けた割に,ゲドの戦記じゃないし・・・
別のタイトルにしても良かったような。
手嶌葵という新しい才能を発掘した点は,高評価。
監督:宮崎吾朗
声優:岡田准一,手嶌葵,
風吹ジュン,
香川照之,田中裕子,
菅原文太 ほか
上映時間:115分
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★ 音楽3枚。
萩原朔太郎「こころ」から着想を得て,吾朗さんが作詞,
谷山浩子 作曲,歌 手嶌葵(てしまあおい)による主題歌が素晴らしい。
★ 原作とシュナの旅と,関連本
劇中で言及される過去の出来事,
ハイタカの名前,アチュアンの墓所についても映像化してほしい!
ゲドを主人公にしてシリーズ化してほしい!
★ こころ収録
萩原朔太郎 萩原 朔太郎 若林 佳子 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★ 「テルーの唄」作曲の谷山浩子さん
昔,よく聞いていました。
「カントリーガール」「ねこの森には帰れない」
「お早うございますの帽子屋さん」「てんぷら★さんらいず」が好き。
谷山浩子ベスト 白と黒 谷山浩子 石井AQ 乾裕樹 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
コメント
コメント一覧 (49)
私もほぼ同じ意見です〜
ゲド戦記なのに、ゲドがまったく脇役でしたよね〜
アレンが父である王を卑怯にも不意打ちするシーンへの説明がまったくないのに、最後までどうしてかという明確な説明がなされない事など、いろいろなイーンで引っかかってしまって、最後までストーリーに引き込まれなくて終わっちゃいました。
本当の名前がその人間を支配する世界っと言うことが理解できていないために、クモにアレンが操られていたシーンは、テルーがアレンに名前をもらった時点でやっとなるほど・・・っと気が付く感じで、楽しめるところまで行き着けませんでした(笑)
もう1度見たいとは思わない映画ですが、油絵的な背景を楽しみながら、落ち着いて見れる映画でした。
ただ、ストーリーが、きちんと整理されてなくて、理解しがたい部分も。。。
ジブリ作品(全て見てるわけではないのですが)って、最後のシメがイマイチのような。。。
ブレイブ<日本沈没<ゲド
どんぐりの背比べw
早くパイレーツ見て、スカッとしたい(爆)
絵画的な映像とテルーの唄にはグッとハートをつかまれましたよ。
親父さんに挑んだその心意気だけは評価してあげたいですね。
声優さんたちも参加した事に意義があるというかなんと言うか。(^^ゞ
これからに期待してます。
説明不足な箇所が目立ちましたね。
>百子さん
力技な結末にツッコミ・・・
>あんぱんちさん
個人的には夏映画の上位に入りました。。
>charlotteさん
手嶌葵さんを見出した鈴木Pが凄い!
吾朗監督これからも映画を作り続けてほしいですね。
「時をかける少女」を見ましょう
予告編で舞い上がっていたせいもあったのか、私の中では評価的にはかなり下がってしまいました。
でもテルーの唄は最高ですねw
あ、こちらからもTBさせていただきました。
「時をかける少女」気になっています。
近くの映画館で上映しないのが悲しい・・
>よしりん♪さん
名曲ですね。
シングル買いました。
評価は高いようですがオブラートに包みながらも
結構もったいないという点に関して賛同できます。
>現代に通じるはずのテーマが薄れている
私もここが大いに残念ですね。
ここがうまく今の時代に対して表現&リンク
できていれば感動できたんですが
なんか焦点がぼやけてしまった作品のような気がします。
どちらもテーマへの取り組みは真摯な映画だと思うんですが、残念ながらそれを表現する技術が決定的に欠けてます。
スピルバーグが30代で「シンドラーのリスト」のリストに出会いながら、「自分にはこれを表現する力はまだ無い」と感じて、十年企画を寝かせたというエピソードは若い映画作家への教訓を含んでいると思います。
宮崎吾朗も次ぎが本当の勝負になるでしょう。
壮大な幕開けだったのに,尻すぼみでしたね。。
>ノラネコさん
早急に完成させてしまった感もあります。
シリーズ化して,どんどん良い映画にしていってほしいなぁ・・
自分も最初にアレンが父親を刺した所が結構な疑問でした。アレンが自分の凶暴な面がどうのこうの言ってましたけど、やっぱり王子として厳しくしつけられていたから、その重圧に耐えかねてやっちゃったんでしょうかね?
丁度世界のバランスが崩れていた時でしたし、アレンもおかしくなってグサッ!!!・・・・とか?
たぶん背景はそうなのでしょうね。
でも,描き方が不十分だったから,
いまいち伝わってきませんでした。
殺害より,未遂に留めた方が良かったような・・
>>なぜ,アレンは父を殺したのか。
私もよくわからなかったんですが、
「孤独」を感じてたから…なのかなぁ?
テルーの唄に涙した後に、刺した事を話してますし。
>>世界のバランスはどうなったのか。
結論出てませんね…続編でもあるのかな?
ちょっとノレなかったものですから、AKIRAさんの優しい見方に癒されました!
いい要素もたくさんあったので、惜しいな〜と思います。
刺した気持ちはなんとな〜く察せられるんですが,
大きな罪を背負っている罪悪感は感じませんでした。
>ミチさん
初監督だからと許せる問題ではないですね。
もっともっと脚本を推敲してほしかった。
そしたら,素晴らしい映画になっていた可能性があるのに・・
私も管理人さんと同じような感想です。
観ていて、伝えようとしていることがぼやけてるなって思いました。
話題が先行しすぎた感じですね。
話題性があって、期待していただけに少し残念でした。
完璧まであと一歩という感じだけに,
惜しい思いがします。
15夜通信 ゴーシュです.
TBいただいたようですが,「パイレーツ―」の方に頂いたようです.もしよろしければ,「ゲド―」の方にTB頂いてもよろしいでしょうか.確認次第改めて遊びに来ますので,その時は本コメントも消去してかまいません.ちなみに小生のゲド記事は「光は闇に」です.それでは取り急ぎ.
間違えまして申し訳ありません。。汗
原作もののゎテーマを伝えるコトに主眼を置き、
それに則したエピソードを乗せれば、
ある程度の疑問ゎさて置いても良いと思いますが、
やっぱり程度とゆうものゎあるワケで、
あそこまで風呂敷を広げたんですから、
それなりにたたんでいただかないと、
観る側としてみればキビシぃです(>_<)
『ブレイブ ストーリー』へのTBありがとうございましたm(._.)m
TB&コメントゎスパム対策のために承認制にしているんです(>_<)
一応、一番上の記事に書いてあります。
ご迷惑おかけします。
このコメントゎ消去していただいて結構です(>_<)
本当に無理矢理な畳み方で,
思わずおいおいとツッコミ・・・
cocologとライブドアの相性が悪くて
TBを送る事が出来ない場合があるので,
何回も送ってしまいました。。m(_ _)m
ま、マッドハウス等の下請けさんのおかげもあるんでしょうけど(笑)。
てなわけで、TBありがとうございました。
強力なバックアップ体制が目に見えました。
触発されて,駿監督も新作に動き出してほしい!
ジブリ作品はヤッパ多くの人が見てるんですねー。
あたいは、今回まったく興味がなかったので観てないんですが。
ヤッパ、『ラピュタ』です。あたいは(´▽`)
後日、TBさせていただきますねー。
ジブリの認知度はもの凄いですね。
ジブリ作品では,
「ラピュタ」「ナウシカ」「トトロ」が
やっぱり別格で好きです。
吾朗監督作品、結構批判多いようですが、自分は今までのジブリ作品とあまり比べずに見ていたので、結構楽しめました。でも、やはり一番印象が強いのは「テルーの唄」でしょうか。
テルーの唄が先行していますね。
それだけ,この曲の魅力は大きい〜
本当に良い歌です。
「ゲド戦記」、、、非常に厳しかったですねぇ。マニアでは良かったという人がいたみたいですが、全体的に酷評が非常に多かったですね。
これはジブリかぁ〜って感じて観てました。
ジブリは子供も大人も楽しめる映画作りのほうがいいと思います。
今回の映画は現在の様々な問題を題材に挙げて、言いたいことはわかるんですが、暗すぎる。
コンテもすごく気味悪くて、全くジブリのよさが出てなかったように思えました。残念です。次回作に期待したいのですが、、、。
ル・グウィンが一番に書いたのが全てのバランスのこと。このことが本の一番の主眼なのですが、なんかどっかに行ってしまいましたね。
私は『ゲド戦記』という本は、こんなもんなの?と思われるのが哀しいです。
しかし、『ゲド戦記』、いろんなところを読ませてもらったのですが、ほとんど読んだ人がいない!あんな素晴らしい本、何で読まれてないのか・・・不思議。
初作品から大きい壁に挑みすぎて,
体当たりしてしまった印象です。。
もっともっと吟味して咀嚼してほしかったなぁ
>sakuraiさん
本は好きです。
読む度に発見がありますね。
ル・グウィンさんは,この映画を観て
どんな感想を持たれるのでしょう。
監督の日誌が楽しみ。
読者登録していただいて、有難うございます。
この作品で泣ける、Akiraさまは、たいへん感受性豊かです。ほんとに(笑)。
こんな程度でジブリファンは喜ぶんじゃあないのかなあっていう、製作者側の思いが、ファンを激怒させてるのかなあって思いました。
まあ、いろいろ、好き勝手に文句が言えて面白かったのですがね。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
僕はこの映画,気に入ってしまいました・・
不評を糧にして,吾朗監督もっと作品を作り続けてほしい!
全体的にしまりがないといえばそうだけど、冒頭のつかみ悪いし…
酷評が多いですね。
でも、私的には結構満足して帰りました。内面的なものを描くには抽象的になりすぎたのかもしれませんよね?
誰にでもアレンがもつような心の闇や
死に対する恐怖は持っていそうですが。テルーの唄も好きです。
ストーリーとして固まっていなくても,
響くメッセージがあれば,
その映画は好きの部分に入ってきます。
そういう訳で「ゲド戦記」結構気に入りました。^^
TBありがとうございました。
原作ともこれまでの「ジブリ作品」とも異なる映画だったと思いますが、わたしは結構好きです。
主軸となりそうなテーマがあちらこちらに散らばっているようで、「結局世界はどうなったの?」という感覚はありましたけど・・・。
アチュアンの墓所、わたしも映像で見てみたいです。
どうせなら、第一作の「影との戦い」から観てみたいですね。
良い映画でした。
シリーズ化してほしい!
全作を映像で観たいなぁ
テルーの唄、感動した!
「ゲド戦記」の割にゲド戦ってない!と私も思いました(笑)。もっと壮大なお話なのでしょうね。これはほんの一部・・・としてもどうも中途半端な印象は否めませんでした。これはこれできちんと完結してほしかったなあと。
テルーの唄はよいですね。予告編見て、先にCDだけ飼ってました!
伝えたい事は分かるし,共感もできるけど,
映画としての完成度にも重点を置いてほしかったですね。
「ゲド戦記」に関しては、
酷評が先行しすぎていて、
コメントをためらったのですが、
ここのコメントを見て、
賛否両論があって嬉しかったです。
自分は今、原作の方を読み出しています、
なぜ3巻が選ばれたのか、
なぜあのような台本になったのか、
自分なりの答えが出ればなと。
TBこちらも入れさしてもらいました。
賛否両論でもヒットしているようですね。
良かった。^^
作品としては物足りませんでしたが、監督の不器用な素直さにはある意味好感を持ってます。
方法を間違えただけで、「悪い作品」じゃないですよね。
同感です。
けなしている人が多いんですが,
悪い映画じゃないですよね。
批判で凝り固まらないで,
映画を楽しんでほしいと思います。。
『ゲド戦記』ですが私はダメでした。
そもそもこの作品はジブリの第一作目になるはずだったのが、その時宮崎監督と鈴木プロデューサーが原作者に頭を下げに行ったら「お前ら誰や」と門前払いされ、それから数十年たってジブリが大物になったら、向こうから手の平を返してきたその程度の作品でしかない。
が私の感想です。
鈴木プロデューサーが宮崎吾郎氏を監督に推薦したのも、作中の王とアレン王子に宮崎親子をダブらせただけでなく、当時の宮崎監督の同じぐらいの年齢の吾郎氏に当時をダブらせたからに思えます。
映画そのものよりも製作サイドの方が面白かったです。
そういえばジブリの裏方推測の方が盛り上がっていましたね。。
いやはやなんとも、作品よりも製作サイドの方が面白いという結末で残念です。
宮崎父の次回作に期待ですね。
「ゲド戦記」のDVDはいつ発売されるのかなぁ
まさかお蔵入り? ←そんなこたない