「アンナとロッテ」「ヴェロニカ・ゲリン」
「箪笥」「父,帰る」



「アンナとロッテ」  DE TWEELING


・ナディヤ・ウール,テクラ・ルーテン,フドゥルン・オクラス,エレン・フォーヘル 他

大人の勝手な思いで引き離された双子の姉妹が辿る波瀾万丈の大河ドラマ。

育つ環境によって,形成される人格がまるっきり対照的になってしまった二人は,
ヒトラーの台頭で変貌してゆくドイツ,突入する戦争の下で,
ある事柄のせいで仲たがいをしてしまう。

時代に翻弄されるアンナとロッテの姿を通して,
当時の,不穏な空気が忍び寄る緊張の生活を描き,
その映像展開は,まるで歴史教科書を紐解いているよう。

打ち解けないまま年を重ねる二人の感情の機微が伝わり,悲しい。

心ひとつで,笑い合い平和な日々を過ごせたはずなのに・・・

と,見応えのあるドラマでしたが,結末がいまいち。

おばあちゃんになったアンナの容姿,変わり過ぎ。

5〜60代にすればよかったのに。

あんなラストにするための年齢設定に見えて,あざとさを感じ興醒め・・・



「ヴェロニカ・ゲリン」  VERONICA GUERIN


・ケイト・ブランシェット,ジェラルド・マクソーリー,シアラン・ハインズ,ブレンダ・フリッカー 他

アイルランドの記者が,麻薬組織を追求する実話の社会派ドラマ。

常に自分らしさを失わず,ガシッとした芯を持つ女性を演じたケイト・ブランシェットが見事。

強いんだけど,普通の人間らしい側面も見せるから親近感。

悪に立ち向かう姿は,「ブレイブハート」のウィリアム・ウォレスのよう。

ラストは激しく胸を打ちました。

彼女はもちろんだけど,動く国も素晴らしい。


 ・DVD特典には本人のスピーチ映像が収録されていました。



「箪笥」  A TALE OF TWO SISTERS


・イム・スジョン,ムン・グニョン,ヨム・ジョンア,キム・ガプス 他

怖くはなかったです。 緊張感もなし。

何がしたいのか分からん展開に,ずっとイライラ,もやもや。

登場人物の誰にも感情移入ができなくて
終わってみて分かる事の真相にも別段感想なし。

なんで離婚したんだろう?

あんな場所で死んでしまうのも問題やし,
その箪笥をずっと置いている玉置浩二似の父親にも責任ある。

そりゃ子供が可哀相。

辻褄あってないような気も,ストーリー破綻してるような感じもあるし,心に響くものが何もなかった。

もっと推敲を突き詰めていったら,「アザーズ」「シックスセンス」みたく胸を打つ作品になりそうなのに・・

スピルバーグがリメイク権を獲得したそうで,期待!



「父,帰る」  VOZVRASHCHENIYE


・ウラジーミル・ガーリン,イワン・ドブラヌラヴォフ,コンスタンチン・ラヴロネンコ 他

12年ぶりに帰ってきた父親と,戸惑いながらも惹かれてゆく兄弟によるロードムービー。

いったい12年もの間,何をしていたのか,
あそこで,なにを息子達に伝えたかったのかなどの説明を一切省き,観る者の想像に委ねる展開。

緊張感と神秘性が漂う,静謐,詩的な映像が美しい。

実際の家族,父子を撮影したドキュメンタリーのような演出。

厳格な心と愛情を持ち,謎を秘めた父親が印象的。

思わず分かる分かるその気持ちと頷く,オスメント君似の弟も巧い。

見事な演出と演技で,最後まで引き込まれた。
だけど,話としてはあんまり好きじゃない。

子は親を無条件で愛する。

その絶対的な絆を,あんな形で終わらせるなんて・・

根は優しいんだとしても無口はいけないって事?

聞く耳を持たない頑固への警告?

結末には希望を残してほしかったなぁ・・

でも,ままならない人間関係の縮図のような父子のドラマが濃厚だったし,
全編,余韻たっぷりで見応えもあったから嫌いではない。


 ・撮影後,ロケ地の湖で,兄を演じたウラジーミル・ガーリンが溺死したそう・・・合掌




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ケイト・ブランシェット キャロル・ドイル ジョエル・シュマッカー ジェラルド・マクソーレイ


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コンスタンチン・ラヴロネンコ アンドレイ・ズビャギンツェフ ウラジーミル・ガーリン イワン・ドブロヌラヴォフ


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★ 「箪笥」の小説版は好評で興味。
4041789796姉妹―Two Sisters
吉村 達也


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